62歳からの楽しい起業

ロビームにまつわる研究内容や所感を日々記録します。

フォレスタクリエーションの買収

フォレスタクリエーションの買収失敗について備忘しておきます。今でも、時折、当時を思い出して反省しています。

買収の布石は、亡き中島さん(コンサル)と、千葉の居酒屋での会食に遡ります。和光店開業、東京ガススポーツの買収とまずまずの成功を収め、自信に溢れているときの面談でした。「どこか良い買収物件ありませんか?中島先生の前職のフォレスタいかがでしょうか?」中島さんからは、明快な答えはなかったと記憶していますが、否定もしませんでした。それから半年後に金融機関からフォレスタの打診がありました。それに飛びつきました。親会社はそれまでの成功で、応援の姿勢でした。実際に何度か施設見学もして、ひっかるものがありましたが、強行してしまいました。ひっかかるものとは、施設の老朽化でした。競合も気になりましたが、駅から近いので頭から消し去りました。さらに買収の途中で、2社の競合が発生したので、さらに買収の要求が高まりました。(今思うと金融機関の嘘だったかもしれません)結局、10億円を超える金額にせり上がりました。

その時に二人の反対者がありました。私の部下、AKさんと前職の会社の後輩、MK氏です。「良い案件ではない」「本当に大丈夫?」の意見を私は無視しました。「私は、ツイてるから大丈夫!」 また、考え直す機会は何度もありました。相手のエージェントから、最も古い施設抜きでもよい」との話もあったのに、これも無視。ただただ規模拡大に邁進していました。

買収後、それまでの外注業者(テニスやショップ)を全て排除、1ヶ月以上も休業、過大なリニューアルなど、今思うと狂人に近い判断でした。「新しい酒は新しい裘に盛れ」と妄信していました。

結果はご存じの通り14億円の損害を蒙りました。この損害を埋めるのに、指定管理、介護予防で5年近くかかりました。痛恨の判断ミスでした。

親会社のS社長に撤退の報告をしました。

「いくらの損害か?」

「14億円です。」

「そんなものか、来期、単年度で黒字か」

「はい」

縮小均衡は事業家ではない、こういうときこそ新しい事業を考えなさい。個人的に責任をとるつもりか?」

「そのように考えています」

「君一人で投資を決めたのではない、ここにいる役員も含めて私が決めた。君に責任をとらせたら、以後、当社で新規事業を志す人間はいなくなる」

S社長の温かい言葉に救われました。

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松戸店

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本八幡

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行徳店